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655.遊女たちの残り香

ゲスト様と横浜のちょっぴり穴場スポット「岩亀横丁」に行きました。懐かしい雰囲気の小さな商店街です。岩亀横丁のすぐとなりにはみなとみらいの超高層ビルが立ち並びます。見落としがちな通りなのですが、実は明治初期に「岩亀楼」とよばれる大きな遊郭の寮があった場所です。



岩亀横丁の土日はほとんどのお店がお休みです。なんだか寂しい空気が感じられます。岩亀横丁の中程に岩亀稲荷がありました。小さな小さなお稲荷様です。岩亀楼で働いていた遊女たちはこのお稲荷様にお参りにきていたそうです。狭い入口の奥にひっそりとお稲荷様が祀られています。



病気になってお店に出ることが出来なくなってしまった遊女たちも、余生を過ごす為に寮に住んでいたそうです。横浜の遊郭はとても大きくて立派で、遊女たちは外国から日本にきた人々を魅了していました。開港の街として美しい歴史的建造物が多く残る横浜の中に、岩亀稲荷のように隠された歴史も残っています。

当時、遊女たちはこのお稲荷様に、どんな思いでお参りをしたのでしょうか。岩亀稲荷は大切に守られているようで、綺麗に整えられてお祀りされていました。

忘れてはいけない街の記憶と遊女たちの香が、ここに眠っているんだと心に響くものがありました。
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2012年11月17日