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12.女装の可能性

ここ数年で女装を取り巻く環境が随分変りました。
女装店も増え、女装の内容を含むテレビ番組やタレントも連日テレビで活躍しています。アパレル業界も最近では男性ユーザーを意識したレディースアイテムの取り扱いをはじめているように思います。私が女装と関わるようになった10数年前では想像できない激変ぶりです。

女装店が増えたといえば、「何でアルテミスのようなサービスを提供する会社がアルテミスを作る前に無かったのか?」といつも疑問に思います。
大学では専攻をした日本画をじっくり勉強して卒業後は女装関係の職業をと思っていたら・・・就職先が無い!これでは卒業後、路頭に迷うと悩みました。

無いのであれば企業やメディアにお願いしようと思って書類を作って営業に行きました。当時、女装は超アンダーグラウンドで偏見も多く、私自身が勉強不足の若僧だったので、売り込みに行っても門前払いばかり。若気の至りで無茶なことをも沢山しました。
こうなったら自分でお店を作るしかないと考えました。大学時代は女装について勉強しつつ、資金を作るために大学に通いながら朝から晩まで連日アルバイトを複数かけもち、卒業後は建築図面関係の専門学校に就職をして退職後、2003年3月20日にアルテミスをオープンしました。

もしアルテミスのような女装店がすでにあったとしたら、私はその会社に就職をしていたか、若しくは女装と全く違う業種についたか・・・。今となっては分りません。
アルテミスが作れたのは、参考にするサービスが無かったこと、ハングリー精神や情熱、それと何より私と関わった多くの女装子さんや碧さんをはじめスタッフ達が支えてくれたことが、大きなパワーになっていると思います。
今日、メディアの番組制作のお手伝いをさせていただいたり、大手企業から様々な女装関係の依頼を頂くようになりました。アルテミスをはじめる前から抱いていた私の夢「街に溶け込む女装」「女装と社会貢献」「多くの方と女装美術を共有したい」が、少しづつ叶っていくことを嬉しく思います。感謝の念に堪えない毎日です。

アルテミスは2011年3月20日で8歳になりました。
ようやく8年。
まだまだ8年。
これから先も、女装の可能性を追求していくことができたら幸せです。
2011年3月26日