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7.広がる言葉

かつて女装店を開く際に、他とは違う特徴をどのように出すかを考えました。下積み時代いくつかの女装店を見て気づいていたのは、多くのお店がインドアでのサービスだけということでした。アルテミスでは初めから女装外出のサービスを取り入れましたが、それまで無かった新しい形の女装店の大きなポイントになったと思います。女装外出は私にも挑戦すべき課題が多々ありましたが、ゲスト様の女度をアップするためには必定と考えていたので、どうしても外したくなかったのです。

外出サービスをするにあたってまず考えてことが言葉の選択です。外出先でゲスト様を「女装子さん」と言ってしまうとゲスト様に抵抗感があるのではと考えました。そこで抵抗感が無くゲスト様をお呼びするために「女の子さん」とお呼びすることにしました。また、ゲスト様の奥様については「パートナー」と表現しました。この言葉は特に女装外出時等にとても便利です。是非皆さんにも使って頂きたく思います。この他にも私が考えたアルテミス用語はいくつかあります。「前世の記憶」や「別世」、「乙女モード」、「アルテミスター」等です。(詳しくはアルテミスHPのシステムにある「もっと×2アルテミスを楽しむために」をお読みください)今では、そのような用語を他HPで見かけることが良くあります。店舗関係のHPで使われていることもしばしばあります。私が考案した言葉ということはおそらく知られずに使われているわけですが、私としてはそんな言葉が浸透し始め、ひとり立ちをして歩みだしていることに感動しますし、とても嬉しく感じます。「ニューハーフ」や「ミスターレディー」という言葉はメディアや漫画から誕生した言葉です。それが今では一般用語として使われています。言葉の浸透は社会にその文化が認知された証拠だと思います。「女装」という言葉には残念ながらまだまだ偏見をもたれてしまう部分が多くありますので、優しく包み込む「女の子さん」と言う表現方法の方が私は好きです。

私とアルテミススタッフが考案した言葉達がひとり立ちをして、山あいのひっそりとした湖から社会の大海原に広まっていく姿を、これからも見続けていくつもりです。