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2.メディアの力

最近、女装をテーマにしたTV番組が増えてきました。過去の番組内容と比べると、最近の番組では明らかに女装に対する考え方が変わってきたように思います。2000年以前即ち今からたった4、5年前までの映像に、ニューハーフの世界が映し出されることは有っても、女装というものが独立してTVに登場することはほとんど無かったといえます。

女装とニューハーフとは違った部分が多くあるのですが、そうしたことがあまり知られていない状態で、女装はニューハーフの一部とみなされていたことに、その原因があったのだろうと思われます。2001年に入りGID(性同一性障害)の存在が広く認識され始め、同時に女装の存在とその意義がクローズアップされるようになりました。

また2000年以前のTV番組では、女装(異性変身願望)は良くないものと表現されることが普通であったのに対し、最近の番組では「新しいファッションの一部」と表現するものが多くなったようで、これは大変に興味深いことと感じております。

メディアは強い力を持っています。子供の頃に見たTVの影響は、大人になっても残るものです。「異性変身願望は変なもの」との社会的な拒絶反応を引き出してしまったのは、2000年以前のメディアがTV番組等の報道を通じて女装を変な事、異質な事であると表現していたからでしょう。例えばタレントに女装をさせてからかうようなお笑い番組など、女装を貶めるような演出が多く見られましたが、最近ではそのような表現は減り、逆に女装をした状態の中に美しいものを見出そう試みる番組が増えつつあります。

これからのメディアが女装を表現するにあたり、女装の肯定的な意義を探りながら、社会に良い風を吹かせてくれるような番組を作ってくれることを強く願っています。