▼女装学
コラム HOME女装好学 > 18.マスク女装


0
18.マスク女装

今年はインフルエンザの影響でマスク姿の方を多く見かけます。マスクは女装メイクの際にカバーしにくい口鼻部分を隠してくれます。髭や男性的な大きな鼻を隠してしまえば、一見しただけでは男性だとばれにくい為、その目的でマスクを使用する方も多いようです。
街中でマスクを使用するとしたら風邪やインフルエンザ対策などが一般的です。女装用としてマスクを使用するケースは着用している全ての人口から考えると限りなく少数です。マスクの生産会社はまさか女装でマスクが活用されているとは全く考えてはいないでしょう。マスクの使用説明書に“女装アイテムとして活用”と含めたい気分です。

さて、女装にかかわりの無い方でしたら女装者がマスクをつけていると女装と分からないかもしれません。ですが、私のように女装と日々係わる者の場合、街中で見かけたら女装者だとすぐに分かるケースもあります。
女装者だと分かる原因の第1は、マスクを着用していると顔が隠れる安心感からか女性らしい動作が乱れる事にあると思います。マスクをした状態で呼吸をしていると、鼻と頬の隙間から温かい風が目元に流れます。そのためにウイッグの前髪が長く目元を覆うようなデザインの場合には前髪が大変気になります。歩きながらずっと前髪を触っているパターンが多いようです。そうすると、目元に意識が集中してしまい、動作全体に配慮ができません。特に歩き方が男性的(普段と同じような歩き方)になるので注意が必要です。
第2に、マスクをつけ続けると化粧崩れのスピードが速くなります。マスクは口元を覆ってしまいますから、肌と密着している部分のファンデーションが取れやすいことが欠点です。また、マスク装着時は口元に熱がこもりやすく顔全体が暑くなります。同時に頭部も暑くなりますのでウイッグ内も熱がこもります。こまめに化粧直しをしないと、脂浮きしたテカリのある肌になってしまいます。
第3に、マスクそのものが目立ちます。歩いているときにマスクをしている人と、していない人がいたとしたら、私の場合どちらかといえばマスクをしている人の方に視線が移ります。マスクをつけていると視線を集めることになるのかもしれません。

マスクをつけていてもいなくても、上記の第1(仕草の乱れ)・第2(化粧崩れ)の条件に当てはまれば、どちらにしてもバレます。第3の条件まで含めるとなれば、マスクをつけていたほうが男性だと気付かれる確率は高いのかもしれません。
女装外出時の仕草と言うものは、どんな条件であっても常に気をつけたいポイントです。マスクをしたままでメイク直しの際、マスクにファンデーションが付いてしまってはみっともないので、ファンデーションを使わずに汗をかきやすい額や目周りをハンカチや脂取り紙で軽くおさえテカリをなくすくらいでも大丈夫です。もしファンデーションを使用する場合には、脂を抑えた後、マスクを浮かせて隙間からパフを差し込み施します。マスクの表面にファンデーションが付かないように気を付けて下さい。
これ等のマスク使用上の心配りを施したならば、後はコソコソせずに堂々と楽しみたいものです。

マスクの最大の利点は「誰が女装をしているのかがバレにくい」ことだと思います。女装外出時の最大のハプニングは「男性だと気付かれる」よりも「誰だと気付かれる」の方が深刻です。そのように考えると、マスクは大変重宝する秘密厳守アイテムです。
0
2009年11月18日